Wilson の取り付け方
Wilson を取り付けてみる。
メーカーの推奨では、弦から9mm下に穴を開けると書いてありましたが(https://wilson-pickups.com/product-ca…/double-bass/mounting/)、“ここは10mmぐらいの方が、(音が)安定すると思うけど・・・。” ということで、自分の直感を信じて、あえて10mmで。
というのも、当店の映像の中に、駒を削って音を調整する作業がありますが、実際、『弦の真下の5〜9mm付近』というのは、かなりの〈劇薬〉で、ほんの軽く削るだけでドンっと音量が上がってしまうので、調整の際は、よほどの理由がない限り手を入れることのないポジションです。
そう考えると、10mm下げて、円柱型のピップアップですから、上半分は『劇薬地帯(?)』に足を踏み入れて・・・ぐらいが丁度良いかな、と。
取り付け位置は、1弦と3弦は、弦の真下に。
2弦と4弦は1mmだけ左側(1弦側)に寄せます。(写真・2枚目)
これは過去に『弦の振動を伝える道』という記事を書いたことがありますが(https://www.genbassya.com/vibration)、その〈振動の通り道〉から考えると、2弦と4弦は1mmだけ左側に寄せた方が、振動の集音効率が良いと判断しました。
ただ、単純に集音効率だけを考えるのであれば、3弦は右側に1mmほど寄せた方が良いのですが、振動のエネルギー量から考えて、あえて弦の真下に置いた方が良いと判断しました。(写真・3枚目)
ピックアップの向きですが、どうも、最終的に駒の先端のカーブに合わせて向きを決めるのが一番音のバランスが良さそうです。
おそらく、弦の振動の向きに対して、ピックアップ内部のピエゾ素子の向きが、集音に対して効率が良いのだと思います。
というわけで、取り付けてから試奏してみました。
予想通り、音量も音色も、各弦とも全て揃っています。
この楽器、元々当店で徹底的に手を入れ尽くしたと言えるぐらいに手をかけてきた楽器ですので、私のピックアップ取り付けの際の狙いさえ間違えなければ、取り付け後の試奏で『音のバランスが極端に悪い』という事態は起こらないと考えていました。
もっとも・・・少しは駒の調整が必要だと思ったのですが・・・我ながら驚いております。
やはりWilsonの取り付けは、自らDIYで挑戦せずに、コントラバス専門店に依頼をした方が、良さそうです。