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自分の中でのコンセプトをいえば『これからの時代のスタンダード』・・・みたいなイメージで作ったのだけど。
この店を開業する前は京都のメーカーで20年間、コントラバス製作をさせていただいてきて、日々の修行の中で色々なことを考え試行錯誤してきたわけですが、その中で中核となっていた思いが、
“数百年前の設計思想を、そのまま維持(継承)し続けて・・・100年後に、その楽器は世の中に通用するのだろうか?”
ということ。
現代を考えてみても、ジャズなどにしても止まることのない音響機器の音質・品質の向上、クラシックなら、残響さえ必要に応じて変化させてしまうほど最先端の設備を持ったコンサートホールが続々と登場する中で、
“コントラバスの一般的な(?)『伝統的な音』を追い求めて作ってみても、あまり意味がないと思うんだよなぁ・・・。”
という思いは強い。
普通に考えれば、100年後に今よりも音響システムの音質が悪くなっているとは思えないし、今よりも響きの悪いコンサートホールが主流になっているとは、どうも思えないし、現代においても、この20年間で演奏者がコントラバスに求める『音』が変化してきていることの実感はある。
だとしたら、その100年後を狙って作ったコントラバスがあっても良いと思うんだけど・・・で作ったのが、この楽器。
あまり言葉で表現してみても意味は無いとは自覚しているけど・・・狙った『音』は、とにかく太い音、そして明確な音。
低音はとにかく太く、そして高音は遠くまで飛ぶように。
一応、そういう方向性で作ってみて、とりあえず自分の中でのストライクゾーンには入ったかな、と思える。
それが現代の世の中に受け入れられるかは・・・さて、どうでしょう?
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